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2005.02.11

ピカソの肖像画

Scan10043迷宮美術館でコレクターの話をしていた。アメリカ人のガートルード・スタインという女流作家は兄とともに美術愛好家としてパリでピカソやマチスの絵を買っている。

最初、彼女はマチスのフォーヴィスム作品を評価し、1905年に描かれた“マティス夫人(緑のすじのある肖像)”を購入し、当時お金に困っていたマティスを喜ばせている。

この絵は、対象物が持っている色ではなく、自分が感じた色で表現するというフォーヴィスムの代名詞のような作品。顔の真ん中に緑のすじが描かれている。まだ見たことが無いが、実物は強烈なインパクトを持っていそう。いつかお目にかかりたい絵だが、
コペンハーゲン国立美術館はちょっと遠い。

ガートルード・スタインはピカソがキュビスムの絵を描くようになると、こんどはピカソに
肩入れするようになる。そして、25歳のピカソは彼女の肖像を描いている。
右の“ガートルード・スタインの肖像”(1906年)である。メトロポリタン美術館でみた
時からかなり最近まで、この絵は男性の肖像とばかり思っていた。
ガートルードは80回以上もポーズをとったが、ピカソの筆は進まなかったようだ。
そのため、一旦中断し、ピカソはスペインに帰る。そのとき、ゴソルというピレネー地方
の小村で目にした素朴なロマネスク彫刻に霊感を受け、仮面を思わせる顔をした
肖像画を描きあげている。細部にとらわれず、ガートルードの顔を彫刻的に表現している。キュビスムを予感させる絵である。

ピカソは“モデルに似てないな”という世間の批評を全然気にせず、
“そのうち彼女の方が、この絵に似てくる”と言ったという。

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コメント

いづつやさん この絵は特別に印象深い絵の一つです。私もメトロポリタン美術館で観ましたが、驚きというか、ただの肖像画ではない・・男性的にも見えるし、それよりも何者?でも、すばらしい作品であるし・・・言葉の表現が難しいですね。
まさしく、>>細部にとらわれず、ガートルードの顔を彫刻的に表現している。キュビスムを予感させる絵である。>>ですね。「彼女の方が、この絵に似てくる」というこの言葉も、さすが、ピカソ!です。で、本当にそうなのでしょうか?(冗談です)
話の展開も興味深いですし、とにかく、圧倒される作品でした。

投稿: Yuko | 2005.02.12 10:06

to Yukoさん
こんにちは。この肖像画は昨年4月、TVでメトロポリタン美術館の特集
をみるまで男性とばかりおもっていました。存在感のある絵ですよね。
この絵をみたのは14年くらい前なんですが、記憶によく残っています。
ピカソが自信たっぷりに“彼女の方が、この絵に似てくる”と言ったと
いうのは天才ピカソらしくて面白いですね。

彫刻家、ミケランジェロにも同じような話があります。あの傑作“ピエタ”
を作った時、依頼者の枢機卿が“どうしてマリアさまの顔はこんなに若いのかね、
息子(イエス)よりも若いようだが”とたずねると、ミケランジェロは
“枢機卿様、私にとって聖母マリアさまは年をとらないように思われるのです。
聖母さまはけがれのないお方でした。だから、老いることのない若さを保っ
ておいでなのです”と答えたといい、枢機卿はその答えに満足したそうです。

投稿: いづつや | 2005.02.12 12:11

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