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2005.02.01

河井寛次郎の木彫

Scan10041町田市立博物館で開催中の河井寛次郎展に展示替えがあったので、また見にいった。展示は2/6で終了。入場料は無料。

今回の企画展には陶芸以外の作品が多数出品されていたので、河井の多才な芸術力を知ることができた。その一つが木彫。河井は76歳まで生きた人であるが、60歳から本格的に木彫に取り組み、100点くらい制作している。これらの木彫作品(彫像、面)を所蔵してるのは京都の河井寛次郎記念館。

68歳までは彫像を手がけ、その後は面をつくっている。右は木彫像“母子”。
ほっぺたがぷっくっとふくれた愛嬌のある形をした母と子が向き合っている。
仏像は数限りなく見ているが、こういう木彫の像は見たことがない。寛次郎記
念館で最初に見たとき、日本の作品というよりはアフリカや南米あたりにあ
りそうなもののように思えた。このほかに兎や合掌した手の木彫像がでてい
た。自分の部屋に置いときたくなる一品である。

これらは共同作業で制作される。河井が粘土で原型を作り、松久という仏師
が彫り、最後の仕上げを河井が行う。素材は樟(くすのき)。数では一番多
い木彫面については、原始的な感じのする魚や人間の顔を作っている。

河井寛次郎は生活の中から、おもしろい形をしたものを見つけ、それをヒントに
して自分の造形をつくり上げいく。そして、自由な創作活動により、つねに
新しい自分を発見しようとしている。才能豊かな人はどんどん変身し、脱皮し、
新たな作風を生み出していく。ピカソ、速水御舟、葛飾北斎などが入っている
変身型天才倶楽部に河井寛次郎を加えなくてはいけない。

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