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2005.01.09

ザオ・ウーキー展

649抽象絵画は巾が広いので、知らない画家の展覧会の場合、観に行くかどうか迷う。

ブリジストン美術館のザオ・ウーキー展は気にはなっていたが、半分以上はパスの気分でいた。が、デュシャンを観て抽象絵画のバリアーが多少とれたので、八重洲にも足を運んでみた。

会期は1/16までと残りわずか。結果は二重丸。もう大満足の展覧会。
食わず嫌い的な気持ちで横に置いていたら、悔いを残すところだった。

ザオ・ウーキーは中国人の画家で現在83歳。フランスで活躍する
抽象絵画の巨匠。キャッチコピーにはこう書かれているが、これまでこの
画家の名前は聞いたことがなかった。それにブリジストン美術館でなぜ
この作家の企画展が開かれるのかわからなかった。70点の
出品作のうち15点が同館の所蔵なのである。一番気に入った右の
作品もここの美術館の所蔵。

この絵を30分位観ていて思い出したのがイギリスのターナーの代表作
“雨、蒸気、速力”。ターナーの絵に使われている黄茶色を青や白に変え、
具象を消した感じだ。題名はなく、制作した年月日がついてるのみ。
抽象絵画といっているが、ターナーや印象派モネの描く風景画で
味わう感覚と似ているので絵の中に抵抗無く入っていける。こういう
絵ならもっと早く来ればよかった。

もう二つ印象深い作品があった。ひとつは南宋画の牧けいや玉澗が
描いたしょう湘八景図や風景図のように揺れ動く光や大気を
感じさせる“仮象の横断”。もう一つは会場の最後に飾ってあった
“クロード・モネに捧ぐ”。ザオ・ウーキーはモネの絵が好きだったのでは
ないか。この画家の色彩感覚は天才的。オランジュリーの睡蓮を
イメージして描いたこの作品は色の配色が美しく、構図の取り方も
斬新。左端にある濃い緑の地に描かれた2本の太い木の幹は
ゴッホの“種まく人”を彷彿させる。

また一人、いい画家に出会った。早速、My好きな画家に入れておこう。

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コメント

こんにちは。
私もこの展覧会人からすすめられなかったら
パスしていてかもしれませんでした。
結果は同じく行って大正解。
素晴らしい展覧会でした。
昨年の展覧会ベスト10にもランクインさせたほどです。

おっしゃる通り、オランジェリーにあるモネの睡蓮が
ウーキーは大好きだったそうです。
オマージュをこめ、新たな睡蓮を描きたかったのでしょう。

投稿: Tak | 2005.01.10 17:40

to Takさん
こんばんは、ザオ・ウーキーよかったですね。
Takさんのブログに沢山書いてあったので、前から気になり、
迷ってました。それと、ブリジストン美術館と抽象絵画展がしっくり
こなくて、食わず嫌い状況がずっと続いていました。

作品をみて、こんないい絵が一杯あるのなら、すぐにでも駆けつけたの
にと思いました。中国人ですから水墨画、書のエッセンスみたいな
ものを作品に感じますね。勝手に、牧けい=ターナー=モネ=ザオ・ウーキーの
リンクを想像しました。最後のモネに捧ぐは絶品ですね。個人蔵と
なってましたが、パトロンが自宅で楽しんでるのでしょうね、ああー羨ましい。

投稿: いづつや | 2005.01.10 18:07

きょう2回目の鑑賞に行ってきました。
3時から,偶然ギャラリートークがあったので参加しました。
ブリヂストンと抽象画ですが,所蔵品のウーキーは,石橋幹二郎のコレクションだそうです。
常設展示室にあったピカソ,デュビュフェ,フォートリエ,クレーなどもみな幹二郎のコレクション。父,正二郎は,印象派,青木繁などをコレクションして,子は,戦後美術をコレクションしたようです。

はじめの部屋の具象から抽象へ変わるあたりは,パウル・クレーの影響があったとのことですが,「シエナ広場」「造船所の船」などは,確かにクレーに似ています。
私は,黒っぽい絵よりも赤と青の絵が好きです。
中央にある墨絵,版画の部屋から,小さな部屋に入ると「25.05.60」鮮やかな赤に真中に黒がある作品があります。これなんかしびれます。
フライヤーになっている「07.06.85」も青に白いしぶきのようなものがビッビときます。

ブリヂストン美術館は,この展覧会を3年くらいかけて,準備したそうです。個人蔵が多いということは,それだけ,出品交渉も大変だったのではないでしょうか。
私も,この展覧会2004年のベスト10にいれました。ブリヂストン美術館は,志の高い美術館ですね。

投稿: じゅん | 2005.01.10 20:15

行かれたんですね。私は常設展だけのつもりでブリジストン美術館に行ったのですが、受付でチケットに含まれているとのことで、それなら一応観ておこうか・・・という気持ちだったのですが、本当にビックリでした。いつもは、抽象画というだけで、拒否してしまうのに、何かわからない大きな感動がありました。最後の“クロード・モネに捧ぐ”は椅子に座ってじっくり鑑賞しました。その後、1月6日の日経新聞の文化面にこの展示会の説明が掲載されていました。編集委員の方は「セゼンヌ、ウーキー両者の作品は大きくかけ離れているが、造形の根底にはセザンヌがいるようだ」と書かれていました。本当のこの展覧会に行けてよかったと思っています。ブリジストン美術館の常設展もいい作品多いですよね。

投稿: Yuko | 2005.01.10 21:07

to じゅんさん
こんばんは。現代絵画のほうは石橋幹二郎の
コレクションですか。眼力は流石ですね。“07.06.85”の前で
私も足が止まりました。それで画像を載せました。これブリジストン
美術館の所有ですよね。ザオ・ウーキーの画集をみたことがないので、
ほかにどんな名作があるのかわかりませんが、この絵は魅力ありますね。
ターナーの絵が強く思い浮かびました。また“25.05.60”も赤丸です。

じゅんさんの言われる通り、いい企画展ですね。ブランド美術館の
底力をみました。

投稿: いづつや | 2005.01.10 23:21

to Yukoさん
東京にいた時は、この美術館よく行ったのですが、最近はご無沙汰でした。
作品の中で長くみていたのは、上の絵とモネに捧ぐでした。
モネに捧ぐは私も椅子に座ってずっと見てました。モネ大好き人間
としてはとてもいい気分でした。青、濃い緑、薄いピンク、この色使いは
素晴らしいですね。左半分はゴッホの種まく人を連想しました。
太い木が斜めに伸びる構図は歌川広重の絵をみるようです。

次回の展示は所蔵品の名作展ですね。これは楽しみです。

投稿: いづつや | 2005.01.10 23:38

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