古代ギリシャの青銅像
昨年、ギリシャを旅行したとき、美術品で一番感動したのがデルフィ博物館でみた青銅像だった。それはBC475年頃つくられた“御者の像”。
デルフィで行われたピュティア競技会に勝利した記念に制作されたものだ。高さは180cmある。右はその顔の部分。この御者の目のまつげに驚いた。実にリアルに表現されている。
これはBC5世紀初頭につくられ今残っているギリシャ青銅像のなかで、最も
素晴らしい作品と言われている。目の前にいる人間の形を正確に写し取る、
写実性の高い作品がもうこの頃にあったというのがスゴイ。
中空の青銅像鋳造はBC7世紀末、サモス島の工房ではじまった。これにより
大理石よりも自由な形や柔らかい曲線がだせるようになり、人々を魅了する
美しい青銅像が沢山作られた。“御者の像”より少し後の作品では、アテネ国立
考古学博物館にある“アルテミシオンのポセイドン”が有名。大理石ではとても
だせないポーズでポセイドンの力強さ、躍動感をあらわしている。
ギリシャでは魅力的な青銅像をいくつも見させてもらった。この感動の続きを2月
また“踊るサテュロス”で味わえると思うとワクワクしてくる。
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コメント
いづつやさん、明けましておめでとうございます。
ようやく、この時間だとブログに入れるようです(^^;;
ところで、ミステリー「生首に聞いてみろ」で、各章冒頭にウィトカウアーの記した彫刻における眼彩の歴史が付記されていました。
私は彫刻について良く知らないもので、いづつやさんのご紹介くださったギリシア彫刻に、ギリシア時代の眼彩とは…なるほど!と納得いたしました(^^)v。さすが、いづつやさんの懐は広いです。ありがとうございました!
ということで、今年もご教授をどうぞよろしくお願いいたします(^^)
投稿: June | 2005.01.08 03:26
ビックリしました。実物を観たら、特別の感動ですね。目とまつげが本当にリアルもリアルです。それもBC475年頃とは。青銅像の力強さとやわらかさがよくわかりました。
投稿: Yuko | 2005.01.08 12:05
to Juneさん
こちらこそよろしくお願いします。この御者の像はデルフィ博物館の至宝に
なっています。象嵌された目、それにまつげまでついている。驚きました。
生首に聞いてみろ、には彫刻のことやメデューサの首のことが書い
てあるとは面白そうですね。興味がわいてきました。
読みかけの本を中座してスウィッチしようかな。
投稿: いづつや | 2005.01.08 15:59
to Yukoさん
アルカイックスマイルの大理石像も優雅でいいですが、
ポーズのとり方はおとなしくならざるを得ません。青銅になり、
その鋳造技術が進歩し、極めて写実的な青銅像ができるようになった
のですね。
この御者の像は技術が完成に近い時の作品ですから、顔の部分
だけでなく全体の仕上がりは見事です。衝撃度200%でした。
投稿: いづつや | 2005.01.08 16:17
いづつやさん、こんばんは。
最近は彫刻もよく見ます。
彫刻にもいろいろな種類がありますけど、私は
木彫も好きです。
それにしてもこの彫刻、すごい美男子ですね。(^_-)-☆
投稿: リセ | 2005.01.08 22:41
to Lyceeさん
こんばんは。この御者の青銅像をみると、ギリシャ人が人体に
美の理想を追め、写実的で美しい作品の制作にエネルギーを傾注した
のがよくわかります。西洋美術の美の原点ですね。これを目の前にした時は
本当にまいったという感じでした。
投稿: いづつや | 2005.01.09 00:55