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2005.01.26

山口蓬春のモダニズム

06前から見たかった山口蓬春の“山湖”という絵を松岡美術館でみた。この絵は山口蓬春のモダニズム日本画の代表作と言われ、平成元年に編集された“昭和の日本画100選”(朝日新聞社)にも選ばれている。

洋画の匂いがする新感覚の日本画である。3週間くらい前に見たときは、これまでの近代日本画の風景画とはかなり違うなという印象でとどまっていたが、葉山の記念館で買い求めた図録を
読んでさらに理解が進んだ。

山口蓬春は福田平八郎、堂本印象、若くして亡くなった速水御舟らと同世代
の画家である。西洋画にも精通しており、スイスのホドラーの画集を所蔵し
ていたという。1947年に制作した“山湖”はこのホドラーが描いたレマン湖や
トゥーンの風景画から刺激を受けているらしい。手元にある図録でホドラーの
トゥーン湖という絵をみると確かに山や湖面の描き方がよく似ている。

山湖の場所は裏磐梯の五色沼。日本にある明るくて広々とした自然を描きた
いと思っていた山口はそれにぴったりの五色沼を見つけ、この風景を雲の白、
空の青、山の緑と明るい近代的な色調で表現している。横長の画面のため、
空間の広がりが感ぜられる。森の中にある静かな湖面の描き方はちょっとシュ
ール風。とくに下の白の部分が印象に残る。青の画家、東山魁夷の湖面とは
対照的にここには清々しい空気が漂っている。

なお、松岡美術館の近代日本画名品展は4/17まで。松岡コレクションから
横山大観、上村松園、前田青邨、奥村土牛など名品が出品されている。

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