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2005.01.23

セガンティーニ

8503年に訪れた、ウィーンのベルヴェデーレ美術館にセガンティーニの絵があった。その時はなぜここにセガンティーニの作品が飾ってあるのかわからなかったが、ネーベハイの著書“クリムト”を読んでその疑問がとけた。

クリムトたちが1897年に結成した分離派のメンバーにセガンティーニが外国の準会員として名を連ねているのである。セガンティーニの他にもパリのシャヴァンヌ、ロダンが参加している。

ベルヴェデーレ宮殿上宮2階にある右の絵は1894年に描かれた“悪しき母たち”。
セガンティーニの絵は、それまで大原美術館の名画“アルプスの真昼”(1892年)、
ミレー展(03年4月、Bunkamura)にサンモリッツのセガンティーニ美術館から出品
されていた“グラウビュンデン地方の衣装”(1887年)くらいした観たことが
なかったので、この絵を前にしてちょっと戸惑った。アルプスの光を表現した
印象派のような絵のイメージとかけ離れているからである。

視線が集まるのが今にも折れそうな木にぶら下げられている女性が赤ん坊に授乳
しようとするところ。絵のテーマは堕胎する女性。性的快楽にふけって母性を放棄
する女性は煉獄の火に焼かれるべき存在であり、そうした女性の苦悩、浄化、
救済が描かれている。クノップフやトーロップなど象徴派の絵と雰囲気が似ている。

1894年、スイスのマロヤという標高1980mのところに移ってから、
セガンティーニは宗教的、哲学的な考えが深くなったようで、この絵には不安や
孤独感といった精神世界が象徴的に表現されている。

セガンテイーニは1896年からアルプス3連作“生”、“自然”、“死”を描いていたが、
1899年急性腹膜炎により41歳の若さで亡くなった。

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コメント

セガンティーニも夭折してるんですよね。日本ならさしずめ厄年ですか。
夭折した画家の絵っていうのは、どこかしら「神」に近づいた神秘性ってものを感じますが、この絵もそれがありますね。

原画をご覧になったなんて羨ましい限りです。シルフなら涙流しそうです。(笑)
クリムト周辺の幻想画家シャヴァンヌとかも好きですよ。

確かにヤン・トーロップとかクノップフを引き合いに出したのは正解かも知れませんね。

投稿: シルフ | 2005.01.24 12:33

to シルフさん
セガンティーニのこの絵はウィーン旅行の収穫でした。105cm×200cm
の大きな絵です。上の画像はトリミングしてます。セガンティーニも
こんな象徴派のような絵を描いてたんだ、へえーという感じで、しばらく目をまるくして
みてました。

世紀末特有の工業化の進展に伴う社会にたいする精神的な不安などが、
こうした神秘的な絵で表現されているのでしょうか。私はダリやクリムト、
象徴派の絵が大変好きなので、セガンティーニのこの絵も気に入っています。

投稿: いづつや | 2005.01.24 20:25

セガンティーニといえば大原美術館の「アルプスの真昼」を思い出します。
大原の中でも1、2の高値で購入した絵と聞きました。
ツィードの糸を織り込んだような独特の筆使いがとても印象的です。
セガンティーニの作品って日本では他に所蔵しているところあるのでしょうか?

投稿: リセ | 2005.01.24 23:25

to Lyceeさん
こんばんは。セガンテイーニの絵というと大原にある名画をすぐ想い
浮かべるのですが、ベルヴェデーレ宮殿にある絵は象徴派のイメージでした。
大きくていい絵です。

日本では国立西洋美術館に“バグパイプを吹くブリアンツアの男たち”という
作品が図録にのっていますが、平常展で観た記憶はありません。

投稿: いづつや | 2005.01.25 00:53

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