カルミナ・ブラーナ
ベルリンフィルの04年ジルベスターコンサートで演奏されたオルフの
カルミナ・ブラーナのCDが今月末に発売されるという。人気の指揮者
サイモン・ラトルが振ったカルミナ・ブラーナなのでかなり売れるのではない
かと思う。収録したビデオもMyベストコレクションの1枚になった。
この劇場カンカータ、“カルミナ・ブラーナ”ができたのは1936年。20世紀
に入ってからの作品だ。ややもすると難解な現代音楽と較べると、きわめて
シンプルで聴きやすい曲である。
1989年のジルベスターでは小澤征爾の指揮でベルリンフィルは
カルミナ・ブラーナを演奏している。日本から晋友会合唱団が参加していた。
このときは歌われる詩がスーパーで流れていた。バリトンのトーマスの
歌声が印象的だった。
カルミナ・ブラーナを知ったのは映画“ヤング・シャーロックホームズ/
ピラミッドの謎”(1985年)。スピルバーグ監督のこの映画はハリーポッター
の先行作みたいなものだが、女の子がエジプトの邪教集団により神への生贄に
されるシーンに、序と終曲で歌われる“世界の支配者、運命の女神”が
使われていた。単純なメロディーを強烈なリズムで何回も反復するこの音楽は
原始的で恐ろしい場面にぴったりだった。
1803年、南ドイツのボイレンという村の修道院で12~3世紀頃につくられた詩
や歌が見つかり、そのなかの24篇に作曲家カール・オルフが曲をつけた。
カルミナは詩集のこと、ブラーナはボイレン村の古い呼び名。
オルフはこの曲で苦悩し、恋に煩い、酒も飲む中世の若者の力強い生命力を
あらわしている。
この曲はいつか生で聴いてみたい。ドイツ人合唱団の歌声は迫力ある。
ベートーベンの第9、ワーグナーのマイスタージンガーなど荘厳で、魂をゆさぶる
歌はドイツ人の得意とするところだ。
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コメント
いづつやさん、こんばんは。カルミナ・ブラーナは私も大好きです。
初めて聴いたのは随分昔、学生の頃、HNK教育での音楽番組でした。カンタータだったので、お目当ての「フォルトルーナ」までがちょっと退屈だった記憶があります(^^;;
おお、フォルトルーナ ベルトルーナ ♪
(運命の女神よ、月の満欠のように気まぐれ)
不確かな記憶ですが、ラテン語の韻の踏み方も面白いですよね。
で、ちなみに近年ではオジー・オズボーンのライヴの導入に流れていました。あ、所謂ヘヴィメタです(^^;;;
投稿: June | 2005.01.27 02:47
to Juneさん
このカンタータのはじめと最後に歌われる“世界の支配者、運命の女神”
は一度聴くとすぐ口ずさめる覚えやすい曲ですね。この曲を最初に
聴いたのが女性の生贄のシーンですから、条件反射的に怖い、
おどろおどろしたものを感じ、テンションがあがります。
ベルリンフィルは金管楽器の名手が揃っていますから、彼らが目一杯にだす音は
スゴイ迫力です。小刻みにリズムを刻むトランペットの音色にはしびれますね。
オズボーンは知りませんが、この曲はヘヴィメタにも合うんでしょうね。
投稿: いづつや | 2005.01.27 17:43
「小説のような日々」デュシャン展に関する記事へのコメント、ありがとうございました。いろいろ読ませていただきましたが、関心の向きが似てにていますね(笑)。
実は、サイモン・ラトルの「カルミナ・ブラーナ」、久しぶりに感動したライブでした。Rec-PotというHDレコーダーを持っていて、それに記録しましたが、私の大事なコレクションになりました。
やや散漫な感じが出てしまうこの曲を、よくぞここまでまとめたなという感じです。オケも歌手もすばらしい集中力だったと思います。
これからもよろしくお願いします。
投稿: HIRO | 2005.01.31 12:55
to HIROさん
書き込み有難うございます。よろしかったら、またお気軽に起こし下さい。
昔、収録した小澤征爾のカルミナ・ブラーナは古いため、消去し、
手元にこの曲がなかったものですからラトル指揮は有難かったです。
迫力ある流石ベルリンフィルという名演奏でしたね。今はラトルの
演奏会から目が離せません。
クラシックにかなりお詳しそうなので、色々お話頂ければ幸いです。
投稿: いづつや | 2005.01.31 20:06
「器楽と魔術的映像を伴う独唱者と合唱のための世俗的歌曲」というサブタイトルのついている「カルミナ・ブラーナ」は、本来踊りを伴った舞台形式の作品として書かれたもの。オルフの構想した「カルミナ・ブラーナ」を求めて活動して10年、私たちO.F.C.は年末にオルフの劇的三部作を一挙上演致します。是非、舞台をご覧頂き、「カルミナ・ブラーナ」の世界を堪能してください。
投稿: O.F.C. | 2005.11.16 05:47
to O.F.Cさん
はじめまして。書き込み有難うございます。カルミナ・ブラーナが踊りを
伴った舞台形式の作品とは知りませんでした。情報を頂き感謝しております。
投稿: いづつや | 2005.11.16 17:11
この作品はヨッフムが名盤として知られてますね。
さいきんサヴァリッシュのも出ましたよね。
ラトルもでるとなると結構ドイツでポピュラーなのかしら?
けどカラヤンは録音してたかしらん?
投稿: oki | 2005.11.16 23:23
to okiさん
カルミナ・ブラーナは映画“ヤング・シャーロックホームズ”の魔術的な
シーンに使われてましたが、映像とシンプルで力強いリズムがうまく
合ってたので、以後忘れられない曲になりました。この曲が流れると、
悪魔の顔をすぐ思い出します。
サイモン・ラトルのカルミナ・ブラーナは良かったですね。クラシックはBS2
やN響アワーの収録ビデオでしか聴きませんので、他の指揮者のこと
は分かりませんが、カラヤンのはありそうですね。
投稿: いづつや | 2005.11.17 17:43
50代半ばになって、ようやくクラシックの世界に触れ始め、とくにオペラやバレエは、これまでほとんど鑑賞いたことがなかったのですが、その深さとともに幅のひろさに感服しております。もっと若いころから触れることができればよかったのにと反省しております。
本日になって貴方のブログにたどり着きましたが、美術にもとてもご造詣が深く、感服いたしております。
ところで、本日はじめての書き込ましていただきながら、あつかましいお願いなのですが、貴方の貴重なこのカルミナ・ブラーナのビデオ、ぜひとも鑑賞いたしたく、何らかの方法でお力をお貸しいただくことはできないでしょうか。
投稿: しんじ | 2007.02.11 22:13
to しんじさん
はじめまして、書き込み有難うございます。申し訳ない
のですが、ビデオの件はご勘弁願います。すいません。
投稿: いづつや | 2007.02.11 22:54