« 葛飾北斎の肉筆画 | トップページ | 香月泰男 »

2005.01.19

マリー・ローランサン

03ホテル・ニューオータニ美術館でマリー・ローランサンのいい絵をみた。右の“遊ぶ子供たち”(1939年)は今、開催中の新春展(1/23まで)にでている。

ローランサン特有のパステル風の淡いピンク、青、灰色などを使い、牝鹿の目をした6人の女の子が楽しく遊ぶところを描いている。彼女が56歳の時の作。このころ彼女は自宅で家政婦と閉鎖的な生活をしてたので
子供たちを前にしてでなく、想像して描いたのだろう。

ローランサンの絵はパリのオランジュリー美術館とひろしま美術館で多くみた。
そのなかでオランジュリーの“シャネル嬢の肖像”(1923年)、
ひろしま美術館の“花束を持つ婦人”(1942年)が気に入っている。
シャネル嬢の肖像はそのやるせなさそうな顔が強く印象に残っている。
子犬、牝鹿、小鳥と一緒にいる女性の形は単純化され、右手を頭のところに
おくポーズがエレガント。だが、シャネルはこの絵の受け取りを拒否している。
何が気に食わなかったのか?

この女性画家は強度の近視だったらしい。それで、写実的に描くのを
あきらめ、淡い中間色を使った幻想的でイラスト風の画風をつくり
あげたのだろう。若い女性を描くのに淡いピンクが上手く配色されて
おり、女性画家ならではの独自の世界をつくりだしている。

蓼科のマリー・ローランサン美術館に名品があるという。信州方面を旅行
した時、訪ねてみよう。

|

« 葛飾北斎の肉筆画 | トップページ | 香月泰男 »

コメント

ローランサンのピンクは独特ですね。
あのともいえない淡い色、筆のタッチ。
いつまでも少女のまま、大人になりきれない女の
イメージがあります。

投稿: リセ | 2005.01.19 22:39

to Lyceeさん
こんばんは。ローランサンの絵は意外と見る機会がないですね。
ひろしま美術館に3,4点あり、見慣れたので他のところでも常設展示してる
のかと思ってましたが、国立西洋美や大原でも記憶がありません。
最近、久しぶりに行ったブリジストンでは図録に1点でてるだけでした。作品数
が少ないのでしょうか?

この画家の絵は、形とか構図より淡いピンクをまずイメージします。
ピカソとかブラックともつきあいがあり、キュビズムのまっただ中に
いたのにローランサンの求めたのは優雅な少女趣味が抜けきらない
甘い世界でした。このフォルムを単純化し、淡い色を使って描かれた女性に
結構、魅了されてます。

投稿: いづつや | 2005.01.20 00:44

おはようございます。
ひろしま美術館のローランサンは最高です!!
あれ一目惚れしました。
あの作品を観るだけでも広島行く価値あります。

惚れると弱いです。とことん。。。

投稿: Tak | 2005.01.20 08:02

実は、わたくしマリー・ローランサンの作品はちょっと苦手なのですけど、その生き方は作品からは想像できない波乱に満ちたものなのですよね。そのギャップにはとても興味があります。
あ、作品の方はあまりしっかりと代表作を観ていないのがよくないのかもしれません。またひろしま美術館へ行く時の目標が増えました。

投稿: 桂田 | 2005.01.20 12:18

ローランサンの作品はあまり好きではないですが、この絵はイイですね。
56歳でこんな絵を描けるなんて、精神がすごく若くエネルギッシュな人だったんですね。

それにしても毎回、幅広いヴァリエーションの芸術作品の世界を取り上げてくれるので、興味が尽きません。
相当、いづつやさんって奥行きが広いですよね。尊敬してしまいます。
シルフも負けんようにもっと勉強しようっっと♪

投稿: シルフ | 2005.01.20 12:47

to Takさん
ひろしま美術館にローランサンがいくつもあります。ですから、淡い
ピンクがローランサンの代名詞のように染み付いています。花束を持つ
婦人は品があり、赤丸です。大谷コレクションもかなりのものです。
眼力のある財界人ですから、いい作品を集めてます。

投稿: いづつや | 2005.01.20 20:16

to 桂田さん
マリー・ローランサンの生涯を読みますと、パリの芸術家の証し
みたいなところがありますね。興味深い話がいくつもあります。
彼女が24歳のとき恋に落ちた詩人アポリネールは偏執的性格でベッド
の皺がひとつでもあると我慢がならなかったようです。それで二人の楽しみ
はソファーの上だったといいます。笑っちゃうような光景です。

ローランサンの描く女性の目は牝鹿の目になっていますが、この牝鹿
は同性愛の記号です。彼女は中年以降、若い綺麗な家事手伝いさんと生活してます。
絵の出来ばえと以上の秘密は関係ありません。私はこの女性画家の
淡いピンクが気に入っています。

投稿: いづつや | 2005.01.20 20:43

to シルフさん
ローランサンの絵は大原あたりにありそうなのですが、
見た覚えがないですね。このニューオオタニ美術館は横浜にもどって
からははじめていったのですが、ローランサンの絵があり、ビックリしました。
いい絵なんですよ。

56歳の時の絵にしては純度が高いですね。離婚とかで精神的に揺れた時期から
時が経っていますので、いい気分で、かわいい子供たちの無垢な姿を描
いたんでしょうか。魅力的な作品になっています。

投稿: いづつや | 2005.01.20 21:01

2月3日(木)の迷宮美術館
「恋はアートの色絵の具」
 ローランサンのアポリネール、ココシュカのアルマ、芸術家たちが作品に秘めた恋をテーマにクイズを出題。迷宮伝説は夢二「漂泊の恋」。

いい内容ではないですか~

投稿: Tak | 2005.01.29 16:23

to Takさん
こんばんは。迷宮美術館は毎週みています。TV東京の美の巨人たち
とこの迷宮をみると新しい情報が得られますね。スタッフの企画力が冴えてます。
ローランサン、夢二とくれば芸術家らしい男女の恋、そして生まれた名画。。。
楽しみです。情報有難うございます。

投稿: いづつや | 2005.01.29 22:51

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: マリー・ローランサン:

« 葛飾北斎の肉筆画 | トップページ | 香月泰男 »