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2005.01.14

チェッリーニの塩入れ

15503年10月、ウィーンの美術史美術館を訪れた際、絵画を見た後、さあお目当てのチェッリーニの傑作、“塩入れ”だとばかりに1階の展示室へ急いだのだが、どこへいっても見つからない。

そこでこの作品の場所を美術館の人に聞くと“盗まれて今はない”と言う。思わず、ええーとのけぞった。盗まれたと言われて、かすかにこの盗難事件のことが記憶に戻ってきた。

そう、03年5月、“塩入れ”は確かに盗まれていた。
右にある彫刻のモナリザといわれる“塩入れ”の値打ちは65億円という。
この美術館の至宝が盗まれるなんてどう考えても信じられないが、まさかの
ことが起きてしまった。今、どこにあるのだろうか?

この金の彫刻はチェッリーニ(1500~71)がパリに滞在している時(1543年)
フランソワ1世の依頼でつくられたものだ。チェッリーニの手になる見事な
鉢と水差しに満足した王はそれらとの組みになる美しい塩入れが
欲しくなり、チェッリーニに制作を頼んでいる。

一枚の金の板から打ち出された豪華な塩入れである。海神・ネプチューン
と大地神・テルスが対面する形になっている。ネプチューンは右手に
三叉の鉾をもち、左手にある船が塩入れになっている。テルスの傍らに
は胡椒を入れる神殿が配置されている。下の台座は黒檀。

このチェッリーニの傑作はフランス王からチロル大公フェルディナントの
手に移り、パプスブルグ家の宝となっている。
はじめてこの美術館に足を運んだ時はこの作品の存在を知らなかった。
美術がだんだん分かるようになり、いつかウィーンで“塩入れ・サリエラ”に
お目にかかりたいと願っていたのだが。。。これは人類の遺産なのだから
はやく返して欲しい。ねえ、盗人さんよお。


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コメント

いづつやさん、こんばんは。
チェッリーニにこんな素晴らしい塩入れがあったとは知りませんでした!彫刻も美術工芸の中にしっかりと活かされているのですねぇ。盗人さんに早く返してほしいものです。
それにしても、このチェッリーニもかなりの悪(ワル)だったのに、CARAVAGGIOばかり犯罪者としてスポットライトが当り、不公平だと思っています(^^;;

で、いづつやさん、実は、とても凹んでおりました...。「美の巨人たち」を見るつもりが、うたた寝をしてしまい、最後の10分しか見れませんでしたっ(>_<)
でも、絵巻の様子や岩佐又兵衛の自画像など、なんとか概要を見る事ができました。全巻は岩波ホールでの映画に期待したいと思います。
いづつやさんには、絶対見ますなんて宣言しながら...ううっ...本当に残念です!(T_T)

投稿: June | 2005.01.16 01:57

to Juneさん
チェッリーニの塩入れは盗まれたんですよ。信じられない話ですが。
見たかったですね、このチェッリーニの傑作を。この人は気性が激しく、
喧嘩ぱっやい。ご存知のように人を殺めて、監獄に入れられてます。
自伝(岩波文庫)に詳しく出てますね。芸術家で人を殺したのは
カラヴァッジョとチェッリーニしかいませんね。
共に天才で後世に残る傑作を残してます。

岩佐又兵衛、全部見れなくて残念ですね。もし実物にご興味があれば、
3/12~4/19、熱海のMOA美術館で開催される“浄瑠璃物語絵巻展”を
みられると岩佐又兵衛の絵の凄さがわかると思います。12巻全部見せて
くれるので私も駆けつけることにしてます。

投稿: いづつや | 2005.01.16 12:59

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