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2004.12.09

マチスの切り紙絵

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国立西洋美術館で開かれているマチス展の終わりが近づいている。今回の出品作は名画揃いだった。

ポンピドーセンターは過去2回マチスの名品を持ってきたが、このマチス展で主要な作品はおおかた公開されたのではないか。

マチスの魅力はなんと言っても、色使いだ。色に対する感覚は天賦の才と言われる。努力しても身につけられない能力である。よく、デッサン力は鍛錬によって上手くなるが、色使いと構図は生まれもったセンスという。


切り紙絵“ジャズ・イカロス”をみると、マチスの色彩感覚は歳をとるにつれ衰えるどころか、逆にさらに研ぎ澄まされている。大病後は絵筆が自由に使えなくなり、切り紙絵を制作するようになるが、形はシンプルになり、子供の遊びに似てくる一方、色使いは逆に一段と冴えてくる。色に対する感覚が強まったのではないだろうか。ブルーヌードやジャズシリーズの一点々の色の配色をみるとカラリストとしての才能がリファインされ、21世紀の現在でも通用する超一流のデザイナーに変身している。

エルミタージュ美術館でみた“赤の調和”、“家族の肖像”、“音楽”、“ダンス”(1908~1911年)の赤にも心をうたれるが、晩年の切り紙絵にあらわれる色合いはもっとシャープで現代的な感じがする。やはり、マチスは色の魔術師だ。ピカソの画風が晩年、ちょっとごちゃごちゃしてきたのに対し、マチスの絵はいっそう魅力的になってるように感じられる。


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コメント

いづつやさん、こんばんは。
マティス展、いよいよ終了ですね。
近くにいれば、2度3度と足を運びたかった美術展でしたが、とうとう1回きりの訪問でした。個人的には、今年見た美術展の中で3本の指に入るくらい感動しましたし、純粋に楽しめました。今月中には、マイグログで、今年の美術展ベスト10をまとめてみたいと思っています。

右のお気に入り本、読んでみたい本がいつくかありますが、なぜか見事に、どれも読んだことのない本ばかりです。(^^;

本といえば、今日はブログのアマゾンが不調で、うまく表示されないくて困っています。

投稿: リセ | 2004.12.10 00:31

to Lyceeさん
マチス展本当に良かったですね。洋画では例の“夢”とジャズを観れたのが
今年一番の収穫でした。Lyceeさんの美術館ベスト10、早くみたいですね。

美術関連の本は読み出すと止まらないので、程々にしています。
東山魁夷の代表作を8割方観ましたので、モノグラフで復習しています。
風景との対話は画家自身が書いた本なのでわかりやすいです。

“琳派展”に出品された菱田春草の“落葉”や宗達の“松島図”のこともでてきます。
先週、山種美術館でみた“月出づ”など自分の絵に東山魁夷がどんな気持ちで取り組んだかが綴られています。日本画を鑑賞するポイントを教えてもらいました。

投稿: いづつや | 2004.12.10 17:52

行って参りました。最終日。
大混雑の中観てきました。
眼に焼き付けてきました。

TBおくらせていただきました。
感想はそちらにあります。

色を私も強く意識して観てきました。

投稿: Tak | 2004.12.10 21:47

to Takさん
ここ数ヶ月はマチスを楽しみましたね。いい展覧会があると関連情報が集まって
きますので、画家がぐっと近くなります。マチスを深く知るいい機会でした。
 
これからのターゲットはポンピドーの“王の悲しみ”、ボルチモア美術館の
“桃色の裸婦”、フィラデルフィアの“青い衣装の婦人”です。

投稿: いづつや | 2004.12.11 00:17

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» 「マティス展」再び [弐代目・青い日記帳]
国立西洋美術館で開催中の「マティス展」に再び行ってきました。 今日でこの展覧会も幕を閉じます(T_T)/ 前回の感想はこちら 最後にもう一度観たくて... [続きを読む]

受信: 2004.12.10 21:46

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