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2004.12.07

デユーラーのロザリオの祝祭

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ドイツルネサンスの巨匠、デューラーの描いた衝撃度200%の絵が
プラハ国立美術館(古典絵画)にある。35歳の時描いた“ロザリオの
祝祭”である。何が衝撃的かというと、描かれている人物が纏って
いる衣装の赤が鮮やかなのである。絵の前にたつと、わーという感じ
になる、こんなに感動する赤にであったことがない。この絵は戦禍
に見舞われて、原画のかなりの部分が傷んだり、色が剥げ落ちてい
るというが、それでもまだこんなに心を揺さぶられるのだから、絵が
完成したときはどんなに素晴らしかったことか。

この作品はデユーラーがヴェネツイアを訪れた際、ドイツ商人グループ
からの依頼を受け、聖バルトロメオ教会の祭壇画として制作された。
聖母が薔薇の冠を皇帝マクシミリアン一世や教皇ユリウス二世らに
授ける場面を描いている。高いアルプスの峰が背景をなす。

ヴェネツイアの画家たちは色彩豊かな絵は自分たちしか描けないと
思っていたものだから、ドイツ人のデューラーが彼ら以上に鮮やかな
絵をかきあげたのでぎゃふんとなったそうだ。やがて町中で、この
絵は大評判となり、ヴェネツイアの御用画家になってくれないかと
懇願されている。また、ヴェネツイア派の総帥ジョバンニ・ベリーニか
らは“デューラー親方、君の素晴らしい作品のおかげで、この豊か
な町がいっそう豊かになった”と褒められている。

これまでデューラーの絵といえば、リアルに描かれた自画像やアル
テ・ピナコテークの“四人の使徒”をすぐ想いえがいていたが、こんな
イタリア的な傑作を描いていたとは知らなかった。プラハでの大収
穫であった。

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