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2004.12.31

村田陶菀展

637今年は陶磁器鑑賞でのエポックの年だった。それは陶工・村田陶菀の作品に出会ったからである。

日本橋高島屋で開かれた展覧会(10/27~11/9)のチラシを偶然みつけ、そのコピー“神の手を持つ、幻の陶工”に惹かれて会場に足を運んだ。

目の前に素晴らしい作品があらわれた。陶工の名前は村田陶菀(1905~2002)。まったく知らない。02年、97歳の天寿をまっとうしている。亡くなる半月前まで作品の絵付けをしていたという。

この人は知る人ぞ知る、京焼、清水焼の陶彫、色絵、金襴手などを作る
名工として名をはせていたらしい。出品作をみてその名工ぶりがよくわかる。
野々村仁清の再来かと思わせる見事な色絵金銀彩の水指しや尾形乾山を
彷彿させる12ヶ月絵組皿がある。また、緑と赤が鮮やかな三彩婦人俑もある。

若い頃、日本画の山元春挙のもとで絵画を学んだだけあって、絵心が豊か。
奥の細道を題材にした陶板などは色合いといい構図といい味わい深い
作品となっている。

こうした京焼の伝統に自分なりの新機軸や工夫を加えて名品を残す一方、
60歳後半からは格式からはなれ、自由な作陶活動を続け、ユーモラスな
鬼の陶彫を制作している。右の作品は財宝を前にして喜ぶ鬼である。
このあふれんばかりの笑いに誘われてこちらも一緒に笑いたくなる。
この他にも、酒を飲んだり、相撲をとったり、大漁を祝う鬼などを作っている。
いずれの鬼も生き生きしていて、ユーモラス。

今年も残りわずかとなった。財宝を前に笑う鬼のように、この1年間で
みたマチス、ピカソ、ダリ、ゴッホ、速水御舟、菱田春草、横山大観、
加山又造、前田青邨、小林古径、福田平八郎、竹久夢二、香月泰男、
牧谿、長澤芦雪、岩佐又兵衛らの絵を前に酒をくみかわし、
笑って新年を迎えよう。

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