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2004.12.25

ウィーンのフンデルトヴァッサーハウス

646_1BS2では23日と今日、ドナウ川紀行の再放送をしていた。

昨年中欧を旅したときの感動が現地の映像をみてよみがえった。1年前なので記憶もかなり残っている。23日の放送はウィーンだった。

2回目の訪問だったので、新しい観光名所にいくつか行った。そのひとつがフンデルトヴァッサーハウス。フンデルトヴァッサーは画家であり
建築家でもある。人気の芸術家で今、このユニークな建物はウィーンの観光名所になっており、沢山の人がいた。

中国人のパックツアー客がガイドの説明を熱心に聞いていた。日本の旅行会社はこんな所に連れてってくれることはまず無い。自由時間のプライベイトオプションだ。どうでもいいことだが、中国人のコースにここが入って
いるのが妙に気にかかる。彼らの方が文化教養度が高いのかなと思ってしまう。

このハウスは86年に市営住宅として建設され、現在も普通の人が住んでいる。
中には入れず、外の概観をみるだけだ。フンデルトヴァッサーが描いた色彩鮮やかな
曲線と渦巻き模様の絵をそのまま建物にした感じだ。バルセロナにあるガウディの
建築群を連想する。フンデルトヴァッサーもガウディの建物に刺激されたのだろう。

ここから15分くらい行ったところに、フンデルトヴァッサーの絵が展示してある
クンストハウスがある。この美術館は91年にオープンした。建物は市営住宅
同様、変わっており、展示室の床が波打っている。これには驚く。絵は子供が
描いたようでもあり、クレーにもちょっと似ている。でも、この鮮やかな色彩は
この画家しか生み出せないだろう。かたちは曲線と渦巻きが多い。野原にある
ぜんまいの形にヒントを得たのかも?

フンデルトヴァッサーは百の水という意味らしい。日本の木版画に注目し、日本
から職人を呼んで作品を完成させている。絵には百水の落款がある。

この画家は1928年ウィーンに生まれている。母親はユダヤ人。親族の
大半はナチスドイツに殺されている。画家の唱える“5枚の皮膚”という
考えは重要だ。“人間は5枚の皮膚につつまれている。体の皮膚、衣服、
住まい、アイデンティティー、地球環境”。ここでアイデンティティーとは
集団、共同体、国民などへの帰属のこと。

5番目の皮膚、地球環境、自然と人間との調和が大事であるといい、自然の丘
の地形を生かした温泉保養村などを建設している。エコロジーの
考えを自分の芸術で実践した人だ。00年2月、98年から住んでいた
ニュージーランドで心臓発作のため亡くなっている。

日本でフンデルトヴァッサーの絵を観たのは大原美術館池田20世紀
美術館
だけ。この画家の展覧会をどこか開いてくれないかと秘かに
願っている。

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コメント

いづつやさん
メリー・クリスマス

フンデルトヴァッサーに興味があるなんて素敵な方ですね。かつては狂人の絵だなんて蔑まされていた頃もあったのに。
もちろんシルフは大好きですよ。先になりますが、拙HPで採り上げる予定があります。

大阪のUSJの近くにフンデルトヴァッサーのデザインした大阪市のゴミ焼却施設があるんです。
あまりの派手なデザインで、地方から来た人がUSJと勘違いしてよく訪れます(笑)

勿論、予約すれば一般見学も可能で、シルフも家族で見学したことがあります。いやぁとっても素敵なところですよ。大阪市も粋な試みをやるなぁって感心しましたもの。
その隣に、今度は下水道施設が建設中なのですが、こちらも氏のデザインなんですよ。

二つの建物が隣接すると、もう本当にすごく壮観です。おとぎの国みたいに見えますからね。(笑)
アジアからの観光客が、最近は結構多いですね。
一度ご覧になってみてくださいな。

投稿: シルフ | 2004.12.25 21:55

to シルフさん
今年は暖かいクリスマスですね。娘さんたちはシルフサンタさんの
プレゼントに喜ばれたでしょうね。最初にフンデルトヴァッサーの絵を観たのはかなり
前で伊豆半島にある池田20世紀美術館なんです。当時は変わった絵だな位
の印象でしたが、00年3月、BS2で元米米クラブ石井竜也がこの画家とニュージーランドで対談する番組をみて、急速にこの人の絵はいいなと感じるようになりました。
好きですね。この色鮮やかな絵が。仲々思いつかない視点の構図をとりますね。これが不思議です。

クンストハウスには展示作品の図録がないんですよ。ちょっとがっかりです。
そこで、1枚5ユーロ(約700円)するポストカード
のようなミニ図版をそこにあった13枚全部買い込みました。今は時々これを見て
楽しんでいます。シルフさんのブログでフンデルトヴァッサーをみせて頂けるとは嬉しいですね。

大阪市のごみ焼却施設、一度観てみたいですね。ウィーンの同じ焼却施設はバスの中
から見ました。へえーこれがフンデルトヴァッサーが設計したものかと見蕩れてました。

投稿: いづつや | 2004.12.25 23:03

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