« 川端龍子の阿修羅の流れ | トップページ | ダリ劇場美術館 »

2004.11.28

岩佐又兵衛の山中常盤

岩佐又兵衛の絵巻物を素材にした映画「山中常盤」を有楽町の
朝日ホールでみてきた。これは“山中常盤”(MOA美術館所蔵の
絵巻)全12巻を古浄瑠璃の節回しをバックにスクロールし、
映画に仕上げたものである。一般公開は本日が最初。第5回
東京フィルメックス作品として上映された。

芸術新潮10月号で特集された岩佐又兵衛のキャッチコピーは
“血と笑いとエロスの絵師”。この血とエロスの匂いがするのが
映画となった“山中常盤”。牛若丸の母常盤御前と従者が
平泉に向かう最中、関が原近くの山中というところで、盗賊
に刺し殺される。悲しみにくれる牛若丸だが、母が泊まった宿の
老夫婦の協力をえて、見事盗賊を討ち果たす。のち、平家追討
で京に上る義経がその道中宿の夫婦に昔のお礼に領地を
与えるというイイ話しで物語は終わる。

ここで血とは。。4巻に盗賊の刀が常盤の胸に突き刺さって
いるシーンが出てくる。血が飛び散り衣装が血に染まる。
これがでてきたとき血ではおなじみのカラヴァッジョの
“ホロフェルネスの首を切るユデイト”を想い出した。首から血が
びよーと出ている絵だ。日本にもカラヴァッジョがいた。又兵衛
のこの場面もぞくっとする怖さがある。

エロスはちょっとオーバーすぎるかも。着物がはだけ、息たえ
だえの常盤の胸がふつうでは描かないほど露出している
せいだ。また、髪の毛が一本々細密にかかれている
のでフェテイシズムぽくみえるのかもしれない。

今年の最大の収穫は岩佐又兵衛に出会えたことだ。
なおこの映画は来年4/23~29、岩波ホールで上映される
ことが決まっている。


Scan10003

|

« 川端龍子の阿修羅の流れ | トップページ | ダリ劇場美術館 »

コメント

いづつやさん、こんばんは。お邪魔にまいりました♪
いづつやさんは東西を問わず、沢山の名画をご覧になっていらっしゃるのですね。素晴らしいです!!
特にイタリア絵画特集を楽しみにしております(^_-)-☆

>血ではおなじみのカラヴァッジオの“ホロフェルネスの首を切るユデイト”を想い出した。

いづつやさん、私は岩佐又兵衛を今まで知りませんでした(・・;)。CARAVAGGIOを想起させるという「山中常盤」に興味津々です。来年の岩波ホールでぜひ見たいと思います。貴重な情報をありがとうございました!

これからも時々お邪魔したいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします(^^)

投稿: June | 2004.12.05 23:56

to Juneさん
書き込み有難うございます。岩佐又兵衛は絵は前々から観たくてしょうがなかったのですが、やっと千葉市美術館の企画で
観ることができました。日本画では今年一番の収穫です。

この絵師の見所は絵巻物です。物語は復讐劇が多く、合戦では血しびきがとび、生首や手足がすっとぶ劇画的な描き方
になっています。カラヴァジオのようなリアルで迫真的な怖さ
とまではいきませんが、かなり激しい表現になっています。
このため、芸術新潮が“血と笑いとエロスの絵師”のコピー
をつけている訳です。

来年岩波ホールで見られるとお分かりになります。私も
もう一回はみるつもりです。

Juneさんにはローマにあるカラヴァジオの作品などを
教えてもらおうと思っています。ナポリレポートを読ま
させてもらいました。いつも感心してます。これからも
宜しくお願いします。

投稿: いづつや | 2004.12.06 00:57

いづつやさんの岩佐又兵衛の絵のご紹介、とても興味深く読まさせていただきました。岩波ホールで上演されるんですね。ぜひ、行きたいと思っています。岩波ホールはいい作品を上演しますね。先日、「父と暮らせば」に続いて、「酔画仙」(朝鮮の宮廷画家の生涯)を観てきました。

投稿: Yuko | 2004.12.25 17:59

to Yukoさん
こんばんは。いいクリスマスだったでしょうか。映画“山中常盤”で
演奏される古浄瑠璃は普段はほとんど聴く機会が無いですから、貴重な
体験でした。実際に役者が常盤と従者となり旅を
していくシーンを撮っていますので物語の展開がつかめます。又兵衛の絵は
最後の場面が綺麗で圧巻です。これは見てのお楽しみです。Yukoさんも映画
よく見てられますね。
父と暮らせば。ビデオかなんかでみたいと思います。

投稿: いづつや | 2004.12.25 23:32

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 岩佐又兵衛の山中常盤:

« 川端龍子の阿修羅の流れ | トップページ | ダリ劇場美術館 »