川端龍子の阿修羅の流れ
川端龍子の絵をまとまってみるのは今回が2度目。最初は
日本橋高島屋で97年5月に開催された龍子没後30年記念展。
そのときはこの画家の特長である大きな絵にびっくりした
記憶がある。とくに印象深いのが“筏流し”。以来龍子のファン
になり、代表作を追っかけてきた。
今回の名作展に出品された作品の白眉がこの“阿修羅の流れ”。
死ぬ2年前の79歳に描いた名作だ。奥入瀬の渓流をダイナミック
に描いている。40代半ばに琳派風の装飾的な絵を仕上げた
画家が最晩年にはこんな壮大な絵を残している。ふつうの
画家なら壮年になるにつれ画風が枯れてくるのに龍子は逆に
川の水しぶきを荒々しく表現している。すごい絵である。
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コメント
これ、奥入瀬ですか!!
そうは見えませんね~
奥入瀬が荒れ狂っているようです。
私が知っている奥入瀬とは随分様相が違います。
歳を重ねますます筆が冴える
凄いことですね。
投稿: Tak | 2004.11.27 21:32
to Takさん
奥入瀬にはまだ行ったことがありません。渓流
が有名ですよね。こちらに戻ってきたので
いつここを訪れるかを検討しています。
龍子の絵、感動しました。渓流が目の前に
あるような錯覚にとらわれます。
奥入瀬の景色はよほど画家の心を捉えるのでしょうね
これまで多くの人がここを描いています。
日本画では小野竹喬、平山郁夫、奥田元宋、
洋画の安井曽太郎などなど
奥田元宋が銀閣寺に描いた奥入瀬の障壁画(96年)を
いつか見たいと思っています。
芸術新潮で「ひらがな日本美術史」を執筆している橋本治
さんが12月号に川端龍子を取り上げています。
投稿: いづつや | 2004.11.28 14:25