2019.11.21

2度目の‘正倉院展’!

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     ‘平螺鈿背八角鏡’(唐時代 8世紀)

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     ‘紫檀木画槽琵琶’(唐時代 8世紀)

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      ‘白瑠璃碗’(ササン朝ペルシア 6世紀)

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      ‘伎楽面 迦楼羅’(奈良時代 8世紀)

東博で開催中の‘正倉院展’は会期が残り4日となり、来場者の数が一段と増
えている。今日は2時時点で40分の待ち時間だった。23,24日は1時
間を超えるにちがいない。前期みた‘螺鈿紫檀五絃琵琶’の感動の余韻がまだ
続く中、後期に登場した正倉院宝物にもどうしてもお目にかかりたお宝があ
った。

その筆頭が‘平螺鈿背八角鏡’。前期に飾られた‘平螺鈿背円鏡’同様、夜光貝を
使ってびっしり描かれた花や鳥の文様の輝きが心をとらえて離さない。そし
て、単眼鏡でピントをあわせると埋め込まれた青のトルコ石の小さな粒が鏡
の華やかさを一層浮き上がらせている。これほど豪華な螺鈿細工に遭遇でき
たのは一生の思い出。

図録をみるたびに裏表紙に使われている‘紫檀木画槽琵琶’の絵柄が気になっ
てしょうがなかった。これは四絃琵琶の背面でたくさん飛んでいる鴛鴦の生
き生きした姿に強く惹きつけられる。鳥が左右対称に配置され長い尾っぽの
緑と背面の濃いこげ茶のコントラストがとてもいい。こげ茶色の美に乾杯!

先月放送されたNHKスペシャルがとりあげた正倉院宝物のなかで興味深か
ったのは6世紀ごろササン朝ペルシアでつくられたガラスの‘白瑠璃碗’。
解説によると土の中から発掘されたものはガラスの成分が溶け変色する。
これに対し、正倉院にある‘白瑠璃碗’ははじめから建物で保管されていたので
つくられたときの姿のまま。本物はまさにその通りだった。美しすぎる碗を
目に焼きつけた。

後期にでてきた伎楽面は‘迦楼羅(かるら)’。この顔面力は半端ではない。
それは顔の大半と頭に彩色された緑のインパクトが強烈だから。さらに鶏冠
と頬の赤がエキゾチックさ倍増させる。迦楼羅はインドの古代神話でお馴染
みのカルダに由来するが、お面のイメージは顔にペインティングをほどこす
アフリカやニューギニアの現地人を連想させる。

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2019.11.20

美術館に乾杯! 香雪美術館 その二

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     ‘レパント戦闘図屏風’(重文 桃山時代 17世紀初)

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          曽我蕭白の‘鷹図’(1764年)

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          長澤芦雪の‘山家寒月図’(18世紀)

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     酒井抱一の‘十二ヶ月花鳥図屏風’(19世紀)

海外にある美術館に展示されている歴史画のなかでレパントの海戦
(1571年)を画題にした絵をみたことがないのに、セミナリオ系の日本
人画家が描いたものを目にするというのは不思議なめぐり合わせ。ただし、
この‘レパント戦闘図’はかっこつき。本来はローマ教皇とイタリア・スペイ
ンの同盟軍がトルコ軍を撃破した海戦なのだが、絵師が古代ローマとカル
タゴの戦いの絵を参考にしたので、海ではなく陸での戦闘になっている。
右にカルタゴ軍を連想させるトルコ軍の兵士が乗った象が2頭描かれている。

曽我蕭白(1730~1781)の描いた色つきの鷹図が3点あり、その
2点が白鶴美の‘牡丹鷹図’と香雪美の‘鷹図’。もう1点はアメリカのインディ
アナポリス美にある番の鷹図。これは鑑賞欲をいたく刺激する絵だが、日本
に里帰りしてくれるだろうか。その可能性は低いので迫力満点の大きな鷹と
その下にいる小さな鶉の対比が気を引く香雪のものでもって瞑すべしという
ことになりそう。

晩年に墨のぼかしと濃淡だけで月を印象的に描いた長澤芦雪(1754~
1799)の‘山家寒月図’は滋賀のMIHO MUSEUMで開催された大長澤芦雪
展(2011年)でお目にかかった。江戸絵画の人気絵師、蕭白、芦雪を
コレクションしているのは流石である。

最近琳派の展覧会に出くわさないので酒井抱一(1761~1828)の
魅力あふれる花鳥図から遠ざかっている。国内で‘十二ヶ月花鳥図’が揃って
みられるのは三の丸尚蔵館、畠山美、ここの3館。そして、屏風装のまま
残っているのは香雪だけ。幸運にも2011年に回顧展(千葉市美)が
あり、長年の思いの丈がやっと叶えられた。

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2019.11.19

美術館に乾杯! 香雪美術館 その一

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        香雪美術館

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    ‘病草子 小法師の幻覚に悩む男’(12世紀後半)

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          ‘二河白道図’(重文 13世紀)

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         雪舟の‘山水図’(重文 15世紀)

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         梁楷の‘布袋図’(重文 南宋時代 13世紀)

白鶴美と同じ最寄りの駅となっている阪急神戸線御影駅から歩いて5分で
到着する香雪美は朝日新聞の創立者、村山龍平(号・香雪)のコレクション
を展示している。ロマンチックな名前の美術館なので所蔵品が展覧会に出品
されるとわりと長く記憶にとどまる。

諸国の奇病や怪しい治療法の話を集めた‘病草子’はもともとは一巻の
巻物だったが、現在では一図ごとに切り離されて所蔵されている。香雪美
にあるのは‘小法師の幻覚に悩む男’。右では床に伏せている男に女房が枇杷
を食べさせようとしている。左をじっとみると小法師が大勢集まり騒いでい
る。病にかかった男がみている幻覚がシュール風に表現されているのがおも
しろい。

‘二河白道図’(にがびゃくどうず)は現世と極楽の世界を描いたもの。真ん
中の水と火の2つの河をまたぐ細い白道を渡りきると阿弥陀の浄土が待っ
ている。水の河には財宝と家族を描いて愛欲を表し、火の河の武士の戦闘
場面は憎悪の世界を示す。画面の下のほうには象や虎、犬、龍がおり、
その下には生病老死の四苦が描かれている。

水墨画のお宝は雪舟(1420~1506)の‘山水図’と中国南宋時代に
活躍した梁楷の‘布袋図’。画聖、雪舟の絵がある美術館はやはり関心がいく。
この絵は2002年に開催された雪舟展(京博)でお目にかかったので、
香雪という美術館を脳に刻みこまれるようになった。

踊る布袋さんをみたのは名古屋の徳川美でおこなわれた特別展。少ない
墨線で重量感のある布袋さん軽く躍らせるのは見事な画力。これほど生
き生きした人物表現はなかなか出会えない。    

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2019.11.18

美術館に乾杯! 白鶴美術館

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        白鶴美術館

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       狩野元信の‘四季花鳥図屏風’(重文 室町時代 16世紀)

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       狩野松栄の‘四季花鳥図屏風’(室町時代 16世紀)

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         円山応挙の‘楚蓮香図’(1794年)

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         曽我蕭白の‘牡丹鷹図’(18世紀)

神戸の東灘区にある白鶴美をどういう風にでかけたか記憶がまったく残って
ない。ここでは名前のとおり白鶴酒造の美術コレクションが春と秋に公開
されている。建物の外観はどこかの格式ある日本旅館を思わせ、庭の燈籠
が目に焼きついている。

この美術館にはみると思わず唸ってしまいそうになるすばらしい屏風がある。
狩野元信(1476~1559)が描いた金地の‘四季花鳥図’。画像は六曲
一双の左隻で水が激しく落ちる滝を背景にして見栄えのする枝ぶりの松と胸
の赤が印象深い鳥が見事に描かれている。もうひとつある同じ名前の屏風は
元信の息子の狩野松栄(1519~1592)が手がけたもの。これは右隻
で桜、桐そして主役の鳳凰の番が描かれている。鳥の姿がなかなかいい。

江戸絵画のど真ん中にいる円山応挙(1733~1795)の‘楚蓮香図’と
曽我蕭白(1730~1781)の‘牡丹鷹図’も自慢の作品。楚蓮香は楊貴
妃とともに中国美人の代表。あまりに美しくいい香りがするので楚蓮香が通
りを歩くと蝶が舞い寄ってくる。腰をS字のように曲げて蝶と遊ぶ姿は映画
のワンシーンをみているよう。

2005年京博で大曽我蕭白展があったとき出品されたのが‘牡丹鷹図’。
この牡丹の花の鮮やかなピンク、薄紫に度肝を抜かされた。蕭白は生まれも
ってのカラリストかいなと。蕭白を水墨画だけの絵師とみているとその大き
な画才を見逃す。いい絵は美術館は出したがらないが、このあとは一度も
出会ってない。またお目にかかりたい。

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2019.11.17

サンリツ服部美 初公開‘佐竹本三十六歌仙絵 中務’!

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     ‘佐竹本三十六歌仙絵 中務’(重文 鎌倉時代 13世紀)

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     ‘佐竹本三十六歌仙絵 大中臣能宣’

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  光悦・宗達の‘鹿下絵新古今集和歌巻断簡’(17世紀)

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  光悦・宗達の‘四季草花下絵新古今集和歌色紙帖’(17世紀)

みどりがめさんと上野東京ラインさんに教えてもらった‘佐竹本三十六歌仙
絵 中務’の展示(初公開)が11/15からはじまったので昨日諏訪湖まで
クルマを走らせてきた。天気が良かったからか行楽にでかける人も多く
高速が結構渋滞し、サンリツ服部美に到着するのに4時間半もかかってしま
った。

今ここで開かれているのは‘やまとうた 三十一文字で綴る和の情景’。
10/12にスタートし、後期(11/15~12/15)は別の作品が登場
する。その目玉が‘佐竹本三十六歌仙絵 中務’。これは初めて公開されると
のこと。過去2度訪問したが、そのときは現在京博の‘佐竹本三十六歌仙絵展’
(10/12~11/24)に飾られている‘大中臣能宣’(通期展示)について
は確認していた。だから、この‘中務’が初公開というのが合点がいかなかっ
たが、美術館の人に話を聞くと最近ここにおさまったらしい。それで今回
はじめてお披露目するのだという。佐竹本を2点も所蔵するのだからたいし
たものである。

5点しかない女流歌人の歌仙絵なので‘中務’との対面は楽しみだった。
絵柄は‘小大君’とよく似ている。装束の色がとても綺麗で赤、薄青が目に心地
よい。そして、波打つように描かれている黒髪。髪の占める面積が小大君よ
り少ないので自然な感じがする。そして、魅了されるのが顔の表情。小大君
の目線が下向きなのに対し、こちらは上の方を眺めている。この姿がとても
可愛い。伊勢はまだお目にかかってないが、斎宮女御、小大君よりいい。
これは参った!

この一枚をみるのが目的なのでほかは光悦と宗達がコラボした‘鹿下絵新古今
集和歌巻断簡’、‘四季草花下絵古今集和歌色紙帖’などをサラッとみて館をあと
にした。しばらく‘中務’の余韻に浸れそう。ミューズに感謝!

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2019.11.15

初物 ‘竹工芸名品展’!

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    初代田辺竹雲斎の‘柳里恭式釣置花籃’(1900~1920年)

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    四代田辺竹雲斎の‘舟形花籃出帆’(2015年)

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    門田篁玉の‘維新’(1981年)

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    飯塚小玕斎の‘白錆花籃雲龍’(1990年)

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    本間秀昭の‘流紋’(2014年)

日本の竹工芸は欧米ではバンブーアートと呼ばれ人気があるらしい。2年前
メトロポリタンでアビーコレクション展が開催され47万人が押しかけたと
いう。嬉しいことにそこで披露された作品がごそっと里帰りし、東近美工芸
館で9月から展示されている(12/8まで)。

日常生活のなかにかごや竹べらなど竹製品はあふれている。だから、鑑賞
用あるいアートとしてつくられた竹工芸にもすっと入っていける。ところが
日本伝統工芸展のような展覧会にでかけることがないので作品を見る機会が
ほとんどない。そのため竹工芸はまったくの初心者。でも、日本の竹工芸界
にすごい才能をもった作家がいることはTVの美術番組をみて知っている。

その人物は四代田辺竹雲斎(1973~)、4年くらい前まだ田辺小竹と名
のっていたころ竹をつかった巨大なインスタレーションを創作していた。
アビーコレクションにも‘舟形花籃出帆’があった。本物をみるのははじめて
なのでしっかりみた。やはりその才能は‘ものが違う’という感じ。初代田辺
竹雲斎の‘柳里恭式釣置花籃’は前衛的な作品。まるで竹工芸のアールヌーヴォ
ー。ガレがみたら唸ったにちがいない。

門田篁玉(1916~)の‘維新’はアートの爆発をイメージさせる。細い竹を
たくさん集めてきて毛糸の塊みたいに表現するところがおもしろい。また、
頭の毛がかぼちゃのようにふさふさしている犬を思い出した。

竹の質感がすごく感じられるのが飯塚小玗斎(1919~2004)の‘白錆
花籃雲龍’。以前出光美で同じような作品に大変魅了されたことがあるが、
それは父親のつくったものだった。こういう竹はおもわず触ってみたくなる。

本間秀昭(1959~)の‘流紋’は前衛的なフォルムが備前焼の陶芸家で‘聖衣’
などの作品で一世を風靡した金重晃介(1943~)の作品とシンクロした。
これは刺激的すぎる。竹工芸家にも鬼才がいた。

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2019.11.14

鏑木清方 幻の‘築地明石町’特別公開!

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            ‘築地明石町’(1927年)

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            ‘新富町’(1930年)

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            ‘浜町河岸’(1930年)

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            ‘初冬の花’(1935年)

今年の秋は日本画関連の展覧会シーンに二つのビッグイベントがある。
ひとつは1ヶ月前みた‘佐竹本三十六歌仙絵’(京博 10/12~11/24)。
そして二つ目のお楽しみは‘鏑木清方 幻の<築地明石町>特別公開’(東近美
 11/2~12/15)。どちらもみられるとは思ってなかった絵なの
で、いつも以上に気分が高揚する。

鏑木清方(1878~1970)の代表作である‘築地明石町’との対面を
もう何年も待ちわびていたがようやく実現した。これはおおげさにいうと
奇跡の出会い。しかも‘新富町’と‘浜町河岸’を含む三部作揃い踏みだから感動
袋は大きく膨らみパンと割れてしまいそう。

3点とも予想以上に絵のコンディションがいい。一体どこにあったのだろう。
これまで絵の大きさの点で最も見ごたえがあったのは大谷コレクションの
‘道成寺・鷺娘’(双幅)で縦183㎝、横75㎝の大作。鎌倉大谷美(現在
は無し)でみたときは体が震えるほど魅了された。その感動と似たものが
今回出品された縦174㎝、横74㎝もある大きな絵3点でもおこった。

趣味で油絵の肖像画や裸婦を描いている友人がおもしろいことをいう。女性
でも男性でもつい描きたくなる雰囲気をもっていたり表情をする人物がいる。
その強く表現したいところがうまく描けたらあとはうまくできあがる、と。
‘築地明石町’もモデルとなった女性の写真が3,4点展示されていたが、確か
に綺麗な女性で清方の心には友人と同じようにこの女性を描きたいという
気持ちがふつふつと沸いてきたのかもしれない。松園の美人画にはない女性の
もっている生感覚。この静かでさらっとした美しさを目に焼きつけた。

これまでみた作品では3点の横に飾ってあった‘初冬の花’に思わず足がとまっ
た。‘築地明石町’効果で勝手に四部作にしたくなった。

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2019.11.13

美術館に乾杯! 神戸市立博物館 その三

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        宋紫石の‘夏富士図’(18世紀)

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        小田野直武の‘蓮図’(18世紀)

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    佐竹曙山の‘椿に文鳥図’(18世紀)

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    国宝‘桜ヶ丘町出土銅鐸’(弥生時代 前2~前1世紀)

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    ‘5号銅鐸に描かれた絵画’

江戸に南蘋風花鳥画を流行らせた宋紫石(1715~1786)は中国の名
前になっているがれっきとした日本人絵師。日本に3年滞在した中国人画家
沈南蘋の密度の濃い色使いと写実的な画風に影響を受け、それを消化しつつ
風景や花鳥を独自の写実表現で描く作品が人気を博した。‘夏富士図’はよけ
いなものは省き壮大な富士山の姿を浮き彫りにするスッキリ構図がなかなか
いい。

秋田蘭画でおおいに注目を集めた小田野直武(1749~1780)の回顧
展が3年前サントリー美で開催された。ずっと関心を寄せていたのに鑑賞の
機会がなかったが、お蔭で秋田蘭画の真髄に迫れることができた。司馬江漢
も小田野直武も宋紫石の絵や西洋画の遠近法の構図や明暗法を学んでいるた
め、二人の風景画は似たところがある。その一方で小田野直武は背景の風景
を極端に小さくしモチーフの花を手前にどーんと描き見る者をどきっとさせ
る。こんなインパクトのある‘蓮図’はほかにみたことがない。

佐竹藩のお殿様の佐竹曙山(1748~1785)は意表を突く構図がとて
も斬新。‘椿に文鳥図’は北斎の花鳥画をシュールな味付けをしたような感じで
右上の穴の開いた造形が不気味。

神戸市の灘区で出土した銅鐸14口はすべて国宝。4号と5号の銅鐸は袈裟
襷文で囲まれた4つの区画に簡略な線でモチーフを描いた絵画が鋳出されて
いる。弥生時代の人々はこんなふうに人物や動物を描いたのか、といろいろ
なことを想像してしまう。5号の片面のひとつには3人が争っている場面が
描かれている。真ん中の丸い頭が男性を表し、両サイドの三角の頭をしてい
るのが女性。

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2019.11.12

美術館に乾杯! 神戸市立博物館 その二

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   ‘聖フランシスコ・ザヴィエル像’(重文 17世紀初期)

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    平賀源内の‘西洋婦人図’(18世紀後半)

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    司馬江漢の‘三囲景’(1783年)

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    司馬江漢の‘異国風景人物図’(1789~1801年)

日本史を扱った書物では節目々に登場する人物が肖像画を使って記述される
ことが多い。例えば聖徳太子、源頼朝、足利尊氏、豊臣秀吉。神戸市博は
1549年鹿児島に上陸し日本に初めてキリスト教を伝えたザヴィエルを
描いた聖画を所蔵している。これは大阪の茨木市の千提寺で1920年に
発見された。

絵が上手な人間はどこにでもおり、このザヴィエル像はイエズス会で西洋画
を学んだ絵師が参考となるザヴィエルの肖像画を下敷きにして制作したもの
とみられる。一見すると西洋人の手になる宗教画となんら変わらない。歴史
の教科書でこれをみたときはてっきりヨーロッパで描かれたものを日本に
もって来たのだと思った。

平賀源内(1728~1779)の油絵‘西洋婦人図’も印象に残る一枚。
ザヴィエル像は宗教画だが、これはフランスのロココ絵画とかイギリスのゲ
インズボロの肖像画などを連想させるので本格的な西洋絵画。長崎にはヨー
ロッパの絵画が入って来ただろうから、源内のような絵心があり技術を持っ
ている者が西洋画に挑むのは自然の流れといえる。

同じ思いは司馬江漢(1747~1818)にもあり、遠近法を使って描か
れた風景画‘三囲景(みめぐりのけい)’は日本で最初の腐食銅版画(エッチ
ング)。川に小舟がいきかうのどかな光景は江戸の名所風景のひとつだが、
描かれたものは写真の裏焼きのように反転している。

‘異国風景人物図’はとてもインパクトのある油彩。江漢はオランダの銅版画
集をみて制作した。こうした洋風画は濃厚なイメージが強く一度見たら忘れ
られない。ここには江漢の絵がほかにも‘両国橋図’や‘相州鎌倉七里浜図’など
がある。

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2019.11.11

美術館に乾杯! 神戸市立博物館 その一

Img_20191111224301       神戸市立博物館

 

Img_0003_20191111224301     狩野内膳の‘南蛮屏風’(右隻 重文 16世紀末~17世紀初め)

 

Img_0002_20191111224301         ‘南蛮屏風’(左隻の拡大)

 

Img_0005_20191111224301     狩野宗秀の‘扇面京都南蛮寺図’(16世紀末)

 

Img_0001_20191111224301      ‘泰西王侯騎馬図’(部分 17世紀前半)

 

神戸を訪問したのこれまで4回くらいあるが、でかけた美術館は神戸市立
博物館と香雪美、そして白鶴美の3つ。神戸市博はドーリア様式の円柱が立つギリシャ神殿風の建物に圧倒された。神戸という街の風格を感じさせる光景である。

数多くある‘南蛮屏風’で最初に目に刷り込んだのが狩野内膳(1570~
1616)が描いたもの。そのためその屏風を所蔵しているここの博物館
も一緒に強く記憶された。本物を運よくここでみたかあるいはほかの
美術館で行われた企画展かはあやふや。右隻は港の荷揚げ風景、日本の
武将に喜ばれたというアラビア馬、檻の中には虎がいる。出迎えているの
は宣教師たち。左隻は旅立ち前の船の様子、象や外国の犬がおりここは
異国の港。

‘扇面京都南蛮寺図’を描いたのは狩野永徳の弟の狩野宗秀(1551~
1601)。信長の庇護のもと1576年に建てられた京都の南蛮寺
(教会)は天守閣風の3階建て。信長は好奇心旺盛な武将だったので南蛮
人から積極的に情報を得ようとした。ワインなどもぐいぐい吞んでいた
らしい。

‘泰西王侯騎馬図’はとても見ごたえのある戦う王様の肖像画。西洋画の
騎馬像を参考にしてセミナリオ系の日本人画家たちは上手に描いた。左が
神聖ローマ帝国皇帝で右がトルコ王。屏風に右半分にはもう二人モスクワ
大公、タルタル王が戦う場面が描かれている。

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