2024.04.22

大収穫の‘北欧の神秘’(SOMPO美)!

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  ラーションの‘滝のある岩場の景観’(1859年 スウェーデン国立美)

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  マルムストゥㇽムの‘踊る妖精たち’(1866年 スウェーデン国立美)

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  エークマンの‘イルマタル’(1860年 フィンランド国立アテネウム美)

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  ムンクの‘フィヨルドの冬’(1915年 ノルウェー国立美)

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  ムンクの‘ベランダにて’(1920年 ノルウェー国立美)

新しくなったSOMPO美が2度目の出動を促したのは‘北欧の神秘’(3/23
~6/9)。展覧会の情報はインプットされていたが行くかどうかちょっ
と迷っていた。北欧の画家たちの絵が果たして心にヒットする? 知らない画
家の場合、いつもこういう戸惑いが生じる。でも、でかけることにしたのは
2018年デンマーク、ノルウエー、スウェーデンを旅したときの思い出が背
中を押したから。この判断は大吉だった。

まず知っているムンク(1863~1944)から。‘フィヨルドの冬’と‘ベラ
ンダにて’の2点がやってきたが、ともにノルウェー国立美が所蔵しているもの。
オスロではお目にかかってなく、購入した美術館の図録にも掲載されてないの
で大きな収穫。遊覧クルーズ船に乗ってソグネフィヨルドを観光したから絵に
すっと入っていける。これは写真OK。‘ベランダにて’は強い赤、青、黄色、緑
が目にとびこんでくるとやはりムンクを200%実感する。

はじめてお目にかかる画家たちの作品ではロマン主義の流れをくむ風景画に惹
きこまれた。思わず足がとまったのがスウェーデンのラーション(1825~
1864)の‘滝のある岩場の景観’。イギリスのマーティンやアメリカのハドソ
ンリバー派の風景画が頭をよぎった。そして、ノルウェー美でみたファーンラ
イの名がでてきたので‘旅人のいる風景’もしっかりみた。

今回一番の収穫はスウェーデンのマルムストゥㇽム(1829~1901)の
‘踊る妖精たち’とフィンランドのエークマン(1808~1873)の大気の
女神‘イルマタル’。こんないい絵が北欧にあったとは!一見の価値がある。みて
もお楽しみ!

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2024.04.21

‘法然と極楽浄土’(東博)!

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  ‘法然上人像(足曳御影)’(重文 鎌倉13世紀 二尊院)

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 国宝 ‘阿弥陀二十五菩薩来迎図’(鎌倉14世紀 知恩院)

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  ‘地獄極楽図屏風’(重文 鎌倉13~14世紀 金戒光明寺)

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   ‘二河白道図’(重文 鎌倉13世紀 光明寺)

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  狩野一信の‘五百羅漢図 六道地獄’(江戸19世紀 増上寺)

4/16からはじまった東博の‘法然と極楽浄土’(~6/9)は平日にもかか
わらず館内には大勢の人がいた。多くの人の期待の高さがうかがえる。同じ
タイミングで京博では‘雪舟伝説’(4/13~5/26)、奈良博でも‘空海 
KUKAI’(4/13~6/9)と国立の博物館がビッグな特別展で共演すること
になった。

法然(1133~1212)の物語に焦点をあてた宗教関連展は2011年
に同じく東博で‘法然と親鸞 ゆかりの名宝’をみたので、今回は前のめりと
いう感じではない。足を運んだのは修復が終了した‘阿弥陀二十五菩薩来迎図
(早来迎)’と再会するため。お目にかかるのはたしか4回目。前回どこでみ
たかはすぐ思い出せないが、絵の前に立つと大きな感動が腹の底から湧き上
がってきた。一目で画面全体が明るくなったことがわかる。

正方形の画面の左上から阿弥陀が二十五菩薩を率いて斜めの対角線にそって
急角度で降りてくる。このスピード感がすごいので阿弥陀や菩薩たちが乗っ
ている白い雲がまるで飛び散る火の粉のようにみえてくる。また、上手なス
キーヤーが猛烈な勢いで滑空してくる場面も重なる。だから、視線はずっと
金色と白が輝く来迎の光景にはりついていて、右下の邸宅で待つ往生者の存
在感が薄くなるのは仕方がない。

特別な来迎図をみれたのであとはオマケ感覚で気軽にまわった。すでにみて
いるものでも思わず足がとまったのは色彩がよく残っていて夢中にさせる
‘地獄極楽図屏風’、阿弥陀様に励まされて一本の白い道を通り極楽浄土に向
かうという話がおもしろい‘二河白道図’。最後に登場した狩野一信
(1816~1863)の‘五百羅漢’は久しぶりの対面。今回増上寺にある
100幅のうち24幅が展示される。みてのお楽しみ!

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2024.04.20

‘上村松園 松篁 淳之-文化勲章 三代の系譜’!(2)

Img_0001_20240420222701    上村松篁の‘熱帯花鳥’(1963年 松伯美)

Img_20240420222701    ‘青柿’(1947年 松伯美)

Img_0002_20240420222701    ‘蓮’(1981年 松伯美)

Img_0004_20240420222701    上村淳之の‘雁金’(1988年 京都市美)

Img_0003_20240420222701    ‘月の水辺’(1990年 大分市美)

Img_0005_20240420222701    ‘花の水辺Ⅱ’(2007年 松伯美)

上村松篁単独の回顧展は名古屋で仕事をしていた1996年に運よく巡り合
った。場所は懐かしい名古屋三越栄本店(今もある?)。そのあとは奈良市
にある松伯美の訪問や日本橋高島屋での三代展をみたので主要な作品はだい
たい目のなかに入った。今回出品されている13点はすべて松伯美が所蔵す
るもの。以前訪問したときは奈良近鉄線の学園前駅で下車してタクシーで
10分くらいで着いたが、この前に駅のすぐ近くにある大和文華館も訪問し
た。ともに名画がたくさんみれる人気の美術館だから、満ち足りた美術散歩
になった。

再会した‘熱帯花鳥’を夢中になってみた。目にとびこんでくるのは緑の背景に
浮き上がる赤い花。いかにも熱帯に咲く花という感じ。そこに体を丸めてと
まっている極楽鳥が視線を釘付けにする。実際にみた光景を描いているので
ないのに絵のタイトルが腹にすとんと落ちるのだから、すごい絵である。
松篁はこういう抽象画のもっている美を感じさせるところが大きな魅力。
‘青柿’や‘蓮’は余白をたっぷりとりモチーフをシンプルに表現する画面構成に
心は深く沈潜させられる。

松篁の息子の淳之さんはずっと応援しており、文化勲章を早くあげて!とず
っと思っていた。2年前受賞したので一安心。今回は20点でている。父の
松篁と同じ花鳥画を描き続けているが、淳之さんの鳥や生き物の絵は動きや
スピードがあるのが特徴。最高傑作は‘雁金’、これをはじめてみたとき、瞬時
に歌川広重の‘東都名所 高輪之名月’を思い浮かべた。

鳥たちへの限りない愛情が表現されている‘月の水辺’もつい長くみてしまう。
おおげさにいうと自然讃歌の気分を画家と一緒に共有しているようでいつま
でもこの光景をみていたくなる。そして、‘花の水辺Ⅱ’は肩の力がすっとぬけ
て心が安まる。毎日鳥たちの動きを見続けているので、親鳥の子鳥を気遣う姿
をこんなに上手く描けるのだろう。画家の優しい心根がそのまま表れている。

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2024.04.19

‘上村松園 松篁 淳之ー文化勲章 三代の系譜’!(1)

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  上村松園の‘鼓の音’(1940年 松伯美)

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   ‘初雪’(1940年頃 大川美)

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   ‘伊勢大輔’(1929年)

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   ‘花がたみ’(1915年 松伯美)

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   ‘羅浮仙女図’(1926年頃)

日本橋高島屋で‘上村松園 松篁 淳之ー文化勲章 三代の系譜’
(4/17~5/6)が開催されるのを知ったのは開幕の前日。ここ数年デ
パートでの展覧会が遠のいているため、情報のアンテナにひっかからずう
っかり見逃すところだった。優しいミューズが教えてくれたのかもしれな
い。急遽、予定していた美術館にこれも加えた。

‘上村松園 松篁 淳之 三代展’は2009年にも同じく日本橋高島屋で
開かれた。また同じ企画でやることになったのは2022年に上村淳之
(あつし 1933~)が文化勲章を受章したから。このめでたいニュー
スが入ってきたとき、また三代展があるなと直感した。果たして松園
(1875~1949)、松篁(しょうこう 1902~2001)、
淳之のよりすぐりの作品が50点くらいずらっと並んだ。こんなすばらし
い日本画の展覧会は滅多にない!この土日は大勢の日本画ファンが押し寄
せることだろう。

女性ではじめて文化勲章を受章した松園はお馴染みの傑作が続々登場する。
全部で24点。そのなかで目を惹くのはチラシに大きく使われている‘鼓の
音’。My‘好きな松園のベスト5’に入れており、安定した三角形の構図、着
物のうっとりする色彩と優雅な意匠、緊張感をみなぎらせて鼓を打つ美し
い手。もう完璧に心に響く美人画である。

ほかにもこれがでているの!と思わず体が寄っていくものがいくつもある。
2度目に対面となった‘初雪’は雪の白と女性の着物の赤が鮮やかなコントラ
ストをつくっている。息を呑んでみていた。まるで源氏物語絵巻をみてい
るよう気分になる‘伊勢大輔’は精緻な描写に目が点になる。この絵は大観の
‘夜桜’などと共にローマで披露されたが、観客は酔いしれたにちがいない。
そして、気がふれた女性を描いた‘花がたみ’やはじめてお目にかかった梅の
精の‘羅浮仙女図’も足をとめて長くみていた。

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2024.04.18

二度目の‘池上秀畝展’!

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   ‘劉女’(1915年)

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  ‘蓮香・梨花九官・海棠鸚鵡’(20世紀)

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   ‘深山鳴鹿図’(20世紀 長野県美)

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   ‘渓かん野雉・威震八荒’(1934年 横浜美)

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   ‘桐に鳳凰図’(1923年 伊那市常圓寺)

時間が経つと出かけた展覧会がエポック的な鑑賞体験となって長く記憶に残
ることがよくある。現在、練馬区美で開催されている‘池上秀畝展’は確実に
そうなる。後期(4/2~4/21)に登場する作品を楽しむため、再度出動
した。今回の特別展を高く評価したいのはいい絵をたくさんみせてくれたこ
とであるが、もうひとつすごくいいなと思うことがある。それは立派な図録
が青幻舎の出版物としてつくられていること。図版の色がよくでていて気の
利いたデザインを随所にちりばめ極上の美術本に仕上げているので、何度も
手にとってみたくなる。すばらしい!

後期に出品される絵にも思わず足がとまるのが続々現れる。1階の部屋に飾
ってあった‘劉女’を興味深くみた。中国の女性が白い鵞鳥(がちょう)に乗っ
て空を飛んでいる。龍や鯉に乗った弁天は橋本雅邦や葛飾北斎の絵でみたこ
とがあるが、この組み合わせはすぐには思い出せない。女の顔はちょっとと
ぼけた感じで漫画チックなところがおもしろい。鸚鵡(おうむ)や九官
(きゅうかん)を左右にして描かれている蓮香は本来は美人のはずだが、
うっとりするほどの美貌ではなく内気な女のイメージだから気軽にみられる。

前期同様、黄色や橙色の木々の情景からどこか川合玉堂を連想させる作品が
飾られていた。長野県美が所蔵する‘深山鳴鹿図’。右下で小川を下る水の白の
輝きが目に焼きつく。日本画では胡粉が生み出す白のインパクトに遭遇する
とつい夢中になってみてしまう。池上と川合の関連性についてははっきりつ
かめてないが、池上はほかの画家からも描き方を貪欲に吸収したのだろう。

大きな収穫だったのは横浜美でこれまでみたという実感がまるでない‘渓かん
野雉・威震八荒’。ここに描かれた鳥たちをみると池上秀畝は真に鳥の描くの
が上手い。ほとほと感心する。そして、その姿が美しい。こんな見ごたえの
ある花鳥画はそうはない。もう一点、最後の部屋に傑作があった。六曲一双
の‘桐に鳳凰図’。すぐサントリー美にある狩野探幽が描いた鳳凰図が目の前
をよぎった。探幽は秀畝のこの屏風をみたら裸足で逃げるかもしれない。
今、日本画好きの人にこの展覧会をPRしまくっている。

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2024.04.16

ミューズにとどけ追っかけ絵画! ウェイデン メムリンク

Img_0004_20240416231401   ウェイデンの‘最後の審判’(15世紀中頃 ボーヌ施療院)

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‘聖カタリーナ’(1430~32年 ウィーン美術史美)

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メムリンクの‘バテシバの湯浴みを盗み見るダビデ王’(1485~90年 シュツトガルト美)

Img_20240416231401   ‘聖母の七つの喜び’(1480年 アルテ・ピナコテーク)

Img_0002_20240416231401   ‘父なる神の奏楽の天使たち’(1489年 アントワープ王立美)

フランドル絵画の画家の名前は今ではなんとかでてくるようになったが、
西洋絵画の鑑賞にのめり込みだした頃は知っているダ・ヴィンチやラファエ
ロらに比べると遠い存在で画風をはっきり確認するのはとても無理だった。
そのため、海外の有名な美術館にでかけても作品が目にとまることがなく、
‘見れど見ず’の状態だった。それが解消されるのは何かが作用して心を奪われ
る傑作と遭遇する機会が生まれたとき。‘最高の瞬間!’が訪れ画家との距離が
一気に縮まっていく。

ウェイデン(1399~1464)に仰天したのはプラドで代表作の‘十字架
降下’をみたとき。気絶した聖母マリアの迫真の人物描写が衝撃的で息を呑ん
でみていた。ウェイデンはこんなスゴイ絵を描いていたのか!以後、軽々に
はみれなくなり、美術本に載っている作品への思いが強くなった。もっとも
みたいのが大作の‘最後の審判’。そして、ウィーン美術史美ではみたという
実感がない‘聖カタリーナ’のリカバリーも叶えたい。

第二世代のメムリンク(1435~1494)に開眼したのはベルギーのブリュージュを訪れたことが大きく関係している。この美しい街に2度目の縁があったとき、ハンス・メムリンク美にでかけた。そこで出会った代表作‘聖カタリーナの神秘なる結婚’に200%KOされた。優しくて品のある聖カタリーナをみてしまったら、どうしてもドイツのシュツットガルトにある‘バテシバの湯浴みを盗み見るダビデ王’にも心が奪われてしまう。

ミュンヘンのアルテ・ピナコテークにでかけたのはかなり前のことだが、1480年に描かれた‘聖母の七つの喜び’は記憶のどこにもない。当時はメムリンクって誰れ?なので、有名なルーベンスやデューラーに全部の鑑賞エネルギーが注がれていた。今、この絵を図版でみるとブリューゲルの風景画を連想させるほど魅力に溢れている。そして、アントワープ王立美にある‘父なる神と奏楽の天使たち’はファン・エイクの‘ヘントの祭壇画’を彷彿とさせる傑作。メムリンクはまだまだ終わらない。

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2024.04.15

ミューズにとどけ追っかけ絵画! デューラー クラナハ

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デューラーの‘ヒエロニムス・ホルツシューファー’(1526年 ベルリン絵画館)

Img_20240415230201   ‘エルスベト・トゥ―ハーの肖像’(1499年 カッセル絵画館)

Img_0001_20240415230201   ‘野兎’(1502年頃 アルベルティ―ナ・コレクション)

Img_0005_20240415230201   クラナハの‘横たわる泉のニンフ’(1518年 ライプツィヒ造形美)

Img_0004_20240415230301   ‘楽園のアダムとエヴァ’(1530年 ウィーン美術史美)

Img_0003_20240415230301   ‘エジプトへの逃避途上の休息’(1504年 ベルリン絵画館)

ドイツ・ルネサンスを牽引したデューラー(1471~1528)とクラナハ
(1472~1553)は同時代を生きた大画家であるが、関心はデューラー
のほうに長くむかっていた。二人の絵をみれる美術館でまず思い浮かぶのは
ウィーンの美術史美とミュンヘンのアルテ・ピナコテーク。美術史美で印象深
いのはデューラーは‘皇帝マクシミリアン一世’、クラナハはとても怖い‘ホロフ
ェルネスの首をもつユディト’。一方、アルテ・ピナコテークはデューラーの
イケメン自画像が目に焼きついているが、クラナハは印象が薄い。

クラナハに勢いがでてくるのはボルゲーゼやクレラー=ミュラー、ベルギー王立美などで遭遇した‘ヴィーナスと蜂の巣をもつキューピッド’。ちょっと艶めかしいヴィーナスにだんだん嵌っていった。そして、予想だにしなかった日本で開催されたクラナハの回顧展(2017年 西洋美)。目玉はあのユディト。これは強烈なインパクトがあるから、クラナハ恐るべし!と思った人が多くいるのではなかろうか。

今、狙っているデューラーは肖像画2点、55歳のときに描いたニュルンベルクの市長とそれよりずっと前に仕上げた同じくニュルンベルクの名家の人物の妻。そして、長く鑑賞意欲を持ち続けているのがウィーンのアルベルティーナ・コレクションの‘野兎’。この兎をはじめてみたとき、デューラーの迫真性のある描写に目を奪われた。ウイーンにでかけることがあれば、なんとかしようと思っている。

クラナハはまだ縁がない傑作がたくさんある。その筆頭が‘ヴィーナスとキューピッド’同様心をザワザワさせる‘横たわる泉のニンフ’。10点以上のヴァージョンがあるとされるこの絵はワシントン国立美蔵のものをみたが、回顧展にも出品された。デューラーとの画風の違いでいうと、クラナハで興味深いのは馴染みの画題の背景に風景が描かれていること。‘楽園のアダムとエヴァ’や‘エジプトへの逃避途上の休息’にとても魅了されており、本物をじっくりみてみたい。

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2024.04.14

ミューズにとどけ追っかけ絵画! ヤン・ファン・エイク ホルバイン(子)

Img_0001_20240414224601   ヤン・ファン・エイクの‘ルッカの聖母子’(1435年 シュテーデル美)

Img_0003_20240414224701   ‘教会の聖母子’(1438~39年 ベルリン国立絵画館)

Img_0004_20240414224701   ‘ボードワン・ド・ラノワの肖像’(1436~38年 ベルリン国立絵画館)

Img_0002_20240414224701  ホルバイン(子)の‘商人ゲオルク・ギーゼ’(1532年 ベルリン国立絵画館)

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‘家族の肖像’(1528年 バーゼル美)

イタリアやフランスにある美術館にくらべると訪問の回数がぐんと落ちるの
がドイツ。そのため、追っかけ絵画のリストをつくるとドイツの美術館にあ
るものが多くなる。訪問の優先度をつけると1位がベルリン国立絵画館、
これにミュンヘンのノイエ・ピナコテーク、フランクフルトのシュテーデル
美が続く。

ベルリンは一度出かけたことがあるが、国立絵画館にはまだ縁がない。ここ
にはビッグネームの傑作がたくさんある。そのひとりがヤン・ファン・エイ
ク(1390~1441)。この画家の美術本(たとえば小学館の‘西洋絵画
の巨匠’)に載っている作品は23点しかない。これまで運よくお目にかかれ
たのは16点。コンプリートに残り7点となった。そのうちベルリンの
絵画館が教会の聖母子’と肖像画‘ボードワン・ド・ラノワ’、‘アルフィルフィ
ーニ’の3点を所蔵している。これにシュテーデル美にある‘ルッカの聖母子’が
加われば、ヤン・ファン・エイクは‘済みマーク’がつけられる。

ルーヴルの‘ロランの聖母子’でファン・エイクとのつきあいがはじまったが、
最初はそれほどのめり込まなかった。ところが、ベルギーで‘ヘントの祭壇画’を
みて、この画家の見方ががらっと変わった。ファン・エイクは別格扱いの
大画家になった!そして、有名な絵を全部みようと思った。そのモチーフ
の精緻な描写を一度みたら、もう虜になる。

ヤン・ファン・エイクの超リアリズムを彷彿とさせる画家がもうひとりいる。ホルバインの子どものほう(1497/98~1543)。みたくてしょうがないのがベルリンの絵画館にある‘商人ゲオルク・ギーゼ’。金属製の容器や金貨、花を活けているガラス瓶の徹底した細密描写に目が点になる。それらについ触りたくなりそう。バーゼル美蔵の画家の妻と子を描いた‘家族の肖像’は生身の人間がすぐ近くにいる感じ。

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2024.04.13

ミューズにとどけ追っかけ絵画! グリューネヴァルト

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   ‘イーデンハイム祭壇画 磔刑’(1512~15年 ウンターリンデン美)

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   ‘キリストの復活’

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   ‘奏楽の天使’

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 ‘聖パウルスを訪れる聖アントニウス(左) 聖アントニウスの誘惑(右)’

スイスで美術館めぐりが実現したとき、ドイツのミュンヘンにも足をのばす
ことを計画しているが、もうひとつ頭にあるのがフランス・アルザス地方の
コルマール。この街になんとしても行きたいのはウンターリンデン美に飾っ
てあるグリューネヴァルト(1470/75~1528)の‘イーデンハイム
祭壇画’がみたいから。

スイスのジュネーブに住んでいた頃手に入れたヨーロッパの地図でみると、
コルマールはバーゼルから北へ65kmくらいのところに位置する。だから、
バーゼル美でお目当ての作品をごそっとみたあと、タクシーを使って行けば
1時間半もあればウンターリンデン美に到着できそう。飛行機に乗ってでか
けるミュンヘンに比べれば気軽にいける。‘イーデンハイム祭壇画’はかつて
コルマールより南、20kmにあるイーデンハイムの教会の主祭壇におかれ
ていたが、フランス革命の騒乱から救われて、18世紀末にコルマールの保
護のため運ばれ、半世紀後出来たばかりのウンターリンデン美に移された。

パリの美術館を別にするとウンターリンデン美はフランスでもっとも多くの
人が訪れる美術館らしい。祭壇画の‘磔刑’の前に立ったら体がフリーズするの
はまちがいない。ワシントン国立美で遭遇した縮小版の‘小磔刑図’により目が
少し慣れているとはいえ、凄惨きわまりないイエスの死の表現は緊張感を
MAXにする。痛々しい荊冠や釘でとめられた足からは血が流れ落ちている
のはあまり長くはみてられない。

ほかでは黄色に輝く色彩が心を晴れやかにする‘キリストの復活’、‘奏楽の天使’、
シュルレアリストのエルンストの画風を彷彿とさせる‘隠修士聖パウルスを訪
れる聖アントニウス’、‘聖アントニウスの誘惑’にも視線が釘付けになる。

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2024.04.12

ミューズにとどけ追っかけ絵画! ドラクロア ジェリコー

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  ドラクロアの‘天使と戦うヤコブ’(1854~61年 聖スルピス教会)

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   ‘神殿を追われるヘリオドス’(1854~61年 聖スルピス教会)

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  ‘墓場のハムレットとホレーショ’(1839年 ルーヴル美)

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  ‘タンジールの狂信者たち’(1837年 ミネアポリス美)

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  ジェリコーの‘羨望偏執狂’(1822年 リヨン美)

パリの主要な建築物に描かれた壁画で注目しているのは昨日とりあげた
シャヴァンヌのほかにもうひとりいる。あのロマン派の帝王、ドラクロア
(1798~1863)。ルーヴルへ出かけたとき数多くある絵画の傑作の
なかで印象に強く残るのはやはりダ・ヴィンチの‘モナ・リザ’と大展示室に
ドーンと飾られているドラクロアの代表作‘民衆を導く自由の女神’。もし
パリに住んでいたら、この大作にたびたびお目にかかれる。だから、ふと
パリに3ヶ月くらい滞在してみたくなる。

ルーヴルにある絵でまだみてないのは‘墓場のハムレットとホレーショ’。
どういうわけかまだ縁がない。大きな部屋には飾ってなかったので通常は倉
庫の中にある?たまには展示されるのだろうか。コンプリートしたいが、
どうも確信がもてない。そのため、関心はドラクロアが描いたルーヴルの
アポロの回廊の壁画やブルボン宮の王座の間の装飾、そして聖スルピス教会
の礼拝堂の装飾にむかっている。これまでルーヴルやオルセーといった定番
の美術館を徹底的にみようと躍起になっていたから、こういうローマで実現
したような教会巡りに時間がさけなかった。

いずれも楽しみであるが、真っ先にでかけたいのが聖スルピス教会。‘天使と
戦うヤコブ’とか‘神殿を追われるヘリオドス’はドラクロアが得意とする躍動
感のある表現が心を揺すぶる。じっくりながめるとドラクロアの物語性のあ
る作品にどっぷり嵌ってしまうかもしれない。動きのある人物描写ではアメ
リカにある‘タンジールの狂信者たち’にも大変惹かれる。

ドラクロアの兄貴分のジェリコー(1791~1824)については、ルー
ヴルにあるものはだいたい目に入ったので、狙いはリヨン美にある‘羨望偏執
狂’1本に絞っている。果たして、運よく遭遇できるだろうか。

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